民間の仕事
2017年10月12日
土間改修工事
建物を造り、維持していくことは、水との戦いでもあります。
奴らは隙を見せれば、ほんの少しの空間から入り込んでくる・・・
かなり大げさに表現をしていますが、建物は人の身体を雨風から守るために存在するわけですから、水との戦いは技術者にとっても知識と経験がモノを言う分野の仕事になります。
今回は、既存の木柱に波板を貼った壁とコンクリート床の取り合い部から駐車場内部に水が入り込んでしまうので、何とかならないだろうか?と言うご相談があり、施工をさせていただくことになりました。
施工前内部の様子。壁と床の取り合い部分から内部(撮影側)に雨が降る度に水が入ってくる状況です。
施工前外部の様子。外部はこのようなコンクリート土間になっているのですが、外部側の土間が内部よりも高い位置にあるために壁際にたまった水が必然的に内部に流入している状況です。一応、壁と床の取り合い部にシーリングが施された形跡がありますが、あまり性能が出ていないようです。
そこで、上記写真に少し線が見えますが、この部分に溝を掘り、かつ壁との取り合い部分の土間を一番高くすることで手前側の植え込みに水を流す施工をすることにしました。
施工後。溝を斫り込み、左官で土間のレベル調整を行いました。これで壁との取り合い部が一番高くなったので、水が溜まることはなくなり、その結果内部への水の浸水が防げるようになりました。
さらに内部の壁と床の取り合い部についても左官工事で土手を設置することで外部からの浸水を防ぐ施工をしました。
ここまでの施工をすれば恐らく普通の雨では浸水の恐れは無いと思いますが、台風などの豪雨に見舞われたときには防ぎきれないかもしれません。
しばらくは大雨が降ったあと、お客さまに状況をお伺いし、経過観察をしていきます。